はじめに:俺は、ただの“置物”になっていた。
俺は、東京で中小企業の課長をしている、ごく普通の50歳だ。山田健一と言う。
毎日、終電間際まで仕事をし、家に帰れば「お疲れさま」の一言もなく、冷蔵庫に別に取ってある弁当のような夕食。妻の陽子(48)とは、もう何年も、用件以外の会話をしていなかった。
寝る時も背中合わせ。もちろん、夫婦の営みなど、遠い昔の記憶だ。
「臭い」「遅い」「疲れてるから」——俺がそっと手を伸ばせば、必ずそんな言葉で拒絶された。そのうち、触れようともしなくなった。家ではまるで空気。会社では威張れる課長も、自宅に帰れば肩身の狭い、必要最低限の存在でしかなかった。
転機:たまたま見た記事と、“諦め”の決断
ある夜、スマホでふと「中年 男性 精力」と検索した。出てきた記事の一つに「巨人倍増」という漢方薬があった。「副作用の心配が少ない」「体質から整える」と書いてある。西洋薬にはどうしても抵抗があったが、漢方なら…。もうこれでダメなら、完全に諦めよう。そう思い、藁にもすがる気持ちで、詳しい漢方薬局を予約した。
薬局の先生は、俺の生活や疲れ具合、腰の重さを詳しく聞いてくれた。「まずは“腎”を補い、気血の流れを良くしましょう。焦らず、体が温まるのを実感してください」そう言われ、一ヶ月分の「巨人倍増」を手にした。
変化は、静かに、しかし確実に訪れた。
飲み始めて一週間。劇的な変化はない。だが、なんだか朝、布団から出るのが少し楽になった気がする。足腰が重だるくない。
三週間が過ぎた頃、明らかな変化に気づいた。まず、体が芯からポカポカしてきた。今まで年中冷えていた手足が、自分でも驚くほど温かい。そして何より、朝、目が覚めた時、久しぶりに“勃起”している自分に気づいた。何年ぶりだろうか…。
ある金曜日の夜のことだ。風呂上がりに、ふと居間でテレビを見ている陽子の横に座った。いつもなら「邪魔」と言われそうな距離だ。すると、彼女がチラリと俺を見た。
「…最近、なんか顔色いいわね。お風呂で湯船、ちゃんと浸かってるの?」
声をかけられた。しかも、心配するような、優しい口調で。俺は慌てて「あ、ああ…少し、運動心がけてるからな」とごまかした。
“事件”は、その週末の夜に起きた。
いつもなら別々に寝ていたのに、その夜はなぜか同じ布団に入った。そして、自然に彼女に触れた。拒絶される覚悟でいた。
しかし、彼女は身を引かなかった。それどころか、小さく息を吐いて、こっちに体を預けてきたのだ。
全てが自然に、そしてとても穏やかに流れた。長い、長い時間をかけて。終わった後、彼女がぼそっと言った。
「…ずいぶん、元気になったんだね。昔みたいに…。」
その言葉に、胸が熱くなった。そう、これは単なる“行為”ではない。俺と彼女の間で、失われていた何かが、ゆっくりと還ってきた瞬間だった。
妻の態度が180度変わった、その後の日常。
あの日を境に、我が家の空気が一変した。
食事: 「別に作っておいた」冷たいおかずから、「今日はオムライスにしたけど、どう?他に食べたいものある?」と、笑顔で聞いてくるように。
会話: 「ただいま」「おかえり」の後に、「今日、大変だった?」と、ほんの少し、俺のことを気にかける言葉が続くようになった。
頼みごと: 「あのさ、週末、ちょっと高いところの電球替えてくれない?」と、頼まれることが増えた。以前は、業者を呼ぶか、自分でやっていた。
眼差し: 何より変わったのは、彼女の目だ。以前は、うつむいて、または通り過ぎるようにしか俺を見なかった。今では、時折、料理中やテレビを見ている時に、ふとこっちを見て、はにかんだように笑うことがある。
“巨人倍増”がくれたものは、単なる“精力”ではない。

今、わかる。
「巨人倍増」が俺にくれた最大の贈り物は、“勃起力”そのものではない。あの漢方薬が、俺の冷え切っていた体を内側から温め、巡らせてくれた。その結果、取り戻したのは「自信」という名の“熱”だった。
会社で部下に指示を出す時、かつての迷いが消えた。家で妻と話す時、もじもじせずに正面から話せる。自分の中に、確かな“軸”ができた感覚がある。体が軽く、顔を上げて歩ける。これが、本当の意味での「家庭での地位」というものなのだろう。威張るのでも、無理に主張するのでもない。自然と、妻からも、そして何より自分自身から、信頼と尊重を得られるようになったのだ。
同じ悩みを持つ、すべての“かつての俺”へ
もしあなたが今、家で居場所がないと感じ、妻の冷たい態度に心が折れかけているなら。もし、自分の中の男としての自信が、砂のようにこぼれ落ちていくのを感じているなら。
それは、決してあなたの人格や努力が足りないからではない。ただ、長年のストレスと歳月が、あなたの“腎”の力と、体の“巡り”を少しずつ奪っていただけなのだ。
「巨人倍増」は、その奪われたものを、自然な形で取り戻す手助けをしてくれる。劇薬ではないから、明日いきなり超人になれるわけじゃない。しかし、一ヶ月後、二ヶ月後、必ずあなた自身が「あ、変わったな」と実感する日が来る。そして、その変化は、必ずあなたの最も身近な人——妻の目にも、心にも、映るのだ。
まずは、一歩を踏み出してみてほしい。漢方薬局の扉を叩くその勇気が、あなたの家庭を、そしてあなた自身の人生を、再び温かな光で満たす第一歩になる。俺が、そうだったように。